時代 the times 2003 12 28
時計で計れる時間は、同じですが、
すべての人が、同じ時代を生きているとは限らない。
たとえば、パソコンのOSについて、そのことが言えるでしょう。
ウィンドウズというOSは、バージョンが、以下の通り、発達してきました。
ウィンドウズ95→ウィンドウズ98→ウィンドウズME→ウィンドウズXP
しかしながら、今でも、ウィンドウズ95を使っている人もいれば、
ウィンドウズ98を使っている人もいます。
そこで、時代が止まっているとも言えます。
それでも、そういう人たちは、そこで、それなりに満足して使っているのです。
それを見て、現在は、ウィンドウズXPの時代であるから、
ウィンドウズXPにしなさいと強制すると、どうなるか。
おそらく、混乱や争いを引き起こします。
ここで、できることは、そういう人たちを見守るだけです。
遅れている時代に生きている人たちは、
やがて、そのことに気づいて、遅れながらも追いついてくるのです。
ウィンドウズXPの時代に生きる人たちは、次の、次世代のOSへと進化していくだけです。
このように、時計で計れる時間は、同じですが、
すべての人が、同じ時代を生きているとは限らないのです。
別のたとえをしましょう。
たとえば、どんな星にも行ける宇宙船の開発に成功したとしましょう。
そして、はるかな宇宙の旅へと出発したとしましょう。
広大な宇宙で出会ったものは何か。
ある星では、まるで原始時代のような生活を送っていた。
ある星では、都市国家のようなものが点在していた。
ある星では、帝国があり、皇帝が支配していた。
そこで、どうするでしょうか。
指導者を選挙で選ぶ民主主義が、一番、進んだシステムであるとして、
その星に降りて、その星の進化を変えようとするでしょうか。
おそらく、そんなことはしないでしょう。
なぜなら、民主主義とは、有権者が、候補者を、政策で選ぶシステムです。
そうであるならば、有権者に、政策を理解できる知的水準が必要です。
ここまで考えて、その星に降りるのは止めて、見守るだけとなるでしょう。
ただし、その星で、同じ住民たちが、殺し合いを始めて、
その星の民族が滅びてしまう可能性が発生したら、
その時は、その星に介入するでしょう。
これは、必要なことです。
時計で計れる時間は、同じですが、
すべての人が、同じ時代を生きているとは限らない。